リカバリ―志向の支援RECOVERY
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リカバリ―志向の
支援の提供
「地域支援への思い」
「私たちが大切にするもの」
訪問看護の支援者は何をすべきか
できない部分を補う、決して間違った選択肢ではない。私たちの役割で言えば、服薬管理はその最たるところであるし、買い物・掃除・洗濯や移動支援などヘルパーが担うこともある。これらのサポートが「対象がその力を再び手に入れることができない」ものであれば、継続した支援は必要不可欠だ。
ただ、かつてはできていた、あるいはその力を身に付けたいと願っているのであれば、できない部分の補填だけする支援は正しいとは思わないし思いたくない。
誰もが人生のほとんどの時間を地域で過ごす。ほとんどの時間を地域で過ごすのなら、その方のできることが今より増えた方がいいに決まっている。一人で出かけられれば、楽しみも増えるかもしれない。友人と会う機会も増えるかもしれない。交通機関を利用できるようになれば、少し遠出をしてみたくなるかもしれない。新たな景色や新たな楽しみが見出せるかもしれない。
力を伸ばして差し上げる関わりがとにかく大事だと思っている。もちろん本人の気持ちあってこそ。
「リカバリー」という視点を大切にしながら関わりたい。症状を抱えていたとしても、内服が継続していたとしても、今の自分よりもっとより良い自分になれることを信じてほしい。自己対処法を増やすことでもっと過ごしやすくなる。もっとできる生活の工夫だってある。そんな可能性に触れる支援を私たちは提供し続けたい。
WADEWADEが提供していく精神科訪問看護
●訪問したスタッフが主体となって利用者の健康や生活を「管理」するのではなく、利用者自身が主体となって考え、行動していけるような関わりを基本とします。
自己対処能力、対処法の確立
●自分はこうなりたい、訪問看護の力を借りながらこんなことができるようになりたい、と自分で自分の舵取りをしながら進みたい道を歩む意思を大切にしていきます。
自分の可能性を信じるということ
●生活上、必要になる「あなた自身の力」を奪うような支援ではなく、今ある力からさらに伸ばせる関わりを主としていきます。
受診へ行く力、必要な書類を書く力、役所での手続きをする力
支援における基本スタンス
私たちの精神科訪問看護は「リカバリー志向」の支援を実践しています。
※リカバリー志向…精神疾患を持つ人は人生を回復できる,と考える姿勢のこと
リカバリー志向の支援は、対象の希望や自尊心、自己決定などを重視します。その結果として、退院後地域で過ごす、再発・再入院なく生活を送る、家を出て単身生活を送る、一般就労の実現、結婚など、地域や社会とつながり関わる「希望」の実現につながっていきます。
私たち訪問看護の支援のあり方は、
- ①対象のリカバリーに常に視点を置きながら
- ②個々の目標や希望に沿って
- ③必要な支援をともに計画し
- ④支援を提供していく
というものです。
そんな支援の方向性や関わり方がブレないよう私たちを指し示すものが、
【SAMHSA(サムサ)※のリカバリー】となります。
※SAMHSA(Substance Abuse and Mental Health Services Administration):米国薬物乱用精神保健管理局
SAMHSAのリカバリーは、米国における「標準的な、統一された現在の定義」であると言えます。
当事者自身が、自分の人生をコントロールし、豊かで意味のある生活を築くことを目指していく。これは、単なる症状管理だけでなく、当事者の強みや希望に焦点を当て、全人的な健康を追求するといった考えです。個人のリカバリーを促進するための理念といったところでしょうか。
「SAMHSA’s WORKING DEFINITION OF RECOVERY」 |
対象がどこへ向かいたいのか。リカバリーの旅路を支える4つの要件の中で、何は充足し何は不足しているのか。そのためにどのような行動を取っていくのか。どう考え日々の生活を営んでいくのかなど、対象がリカバリーを意識できるような形で支援を行っていきます。
支援を受ける利用者も「リカバリー」を強く意識
私たちがリカバリーを意識した支援であると同時に、利用者様自身も「リカバリー」に対し強い意識を持っていただくことが望ましいと考えます。自分主体、自分主導でもっとより良い自分となるために。
利用者様には 【WRAP※の活用】 を促していきます。
WRAP(Wellness Recovery Action Plan =元気回復行動プラン)
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深い抑うつとコントロールの効かない躁状態に悩まされたメアリー・エレン・コープランド氏。一生そのような状態に付き合っていかなければならず、人生の夢や希望を諦めなければならないと聞かされていたが、諦めなかった。 自分と同じような気分の激しい浮き沈みを経験した人たちが、どのようにして精神状態から立ち直ったのか。困難を切り抜けて、元気になり、元気であり続けているのかを、実際に立ち直った120数名が答えてくれたインタビューで、その人それぞれにアイデアや生活の工夫をしていることが分かった。リカバリーしている人たちは、元気になるための簡単で安全な方法がいくらでもあることが分かった。 その調査から生まれたのがこの「WRAP」。1997年に アメリカのメアリーエレン・コープランド氏を中心に考案された。 |
当事者の経験や声から生まれた“回復の手段”の一つ。当事者の知恵。
自分を知る、傾向を知る、調子の良い時の自分を知る、不調となるシグナルを知る、不調ってどういう状態か知る、そこからどう脱するか、どのように元気を取り戻すかなど、自分に焦点をあてて“いい感じの自分”を保つための 「自分取扱説明書」。
自分で作る、自分だけのためのリカバリープラン。
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リカバリーに大切な5つのキーコンセプトを基本としながら、元気な状態を保つために、あるいは調子が悪くなった時にそこから調子を取り戻すための行動など、“自分に合った具体的な行動プラン”を立てていくものです。自分らしく、いい感じの自分でいるために、WRAPを活用しながら生活の工夫はもちろん自己管理のスキルの向上などに取り組んでいきましょう。
リカバリーは存在します。
リカバリーをした方が実在します。
リカバリーには何が大切かも明らかになっています。
症状が残ったとしても、内服し続けることになったとしても、
あなたのやりたいこと、なりたい自分へ向けて
歩みを進めてみませんか?
WADEWADE・KODOMOTO GROUPの精神科訪問看護では、あなたのリカバリーを応援しお支えします。